
はじめに
今回「発達障害と恋愛」というテーマでコラムを書かせていただきましたが、全ての人に当てはまる内容ではありません。
あくまでも私たち夫婦の事例は「多くある例の中の1つ」だと思って読んで頂けたら幸いです。

おっとり定型さんの夫と凸凹発達さんの私
我が家はいわゆる「定型×発達」の夫婦で昨年末結婚3周年を迎えることができました。
周囲からはありがたいことに仲良しのご夫婦、というように映っているようですが、最初からすべてが上手くいっていた訳ではありません。
お付き合いして発覚した数々の“発達あるある?!”
夫(以下、彼)とは、元々SNSでの相互フォロワーとしての関係でした。
夫婦ともにバンド活動を趣味としており、ライブイベントで初めて顔を合わせました。
それから月に1度食事をする程度の友人関係が長く続いていました。
そんな関係が続く中、私は異性として意識したことがなかったのですが、
「お付き合いしませんか?」とお話を頂いてその時に付き合っていた方もいなかったので最初はお試しで付き合ってみる、くらいの気持ちでOKしました。
それまで恋愛経験が浅かった私は、深く人と付き合ったことはほぼありませんでした。
当時は正社員として何年も一般企業に勤めており、それが私の誇りでもありましたし、それまでの自分の行動は「普通」だと思っていました。
彼にいろいろと指摘されるまでは…。
現在のように穏やかな夫婦関係になるまではいくつもの壁がありました。

待ち合わせには必ず遅刻して来る彼女に困惑
今振り返ると彼に対して申し訳ないとは思うのですが、私は時間の管理がとっても苦手でよく待ち合わせには遅れました。
というよりも100%遅れていました…(苦笑)。
毎回毎回遅れるので、ある日彼から「俺のことどう思っているの?」と怒られたことがあります。
しかしながら、私には悪気が無いので「どう…って言われても……。」と口を濁すことしかできませんでした。
彼との関係ではこんな感じでしたが、ルーティーン化したことを守ることは得意なので、会社には遅刻したことがありませんでした。
だからこそ、自分の時間感覚が人と異なることには気付いていなかったのです…。
見た目にはわかりづらい感情や体調の波
ASDやAD/HDの特性を持つ人の特徴のひとつとして、「疲れやすい」ことがあります。
独身時代、一人暮らしをしていた頃には仕事から帰ると玄関先で倒れて朝を迎える、なんていうことがよくありました…。
それが「普通」じゃないなんて、気づいていなかったのです。
彼と同棲をするようになって、数秒前まで笑っていた私が突然泣き出すことや、キャパオーバーで寝込んでしまうことに戸惑ってしまうことがあったように思います。

カミングアウトについて
今回、こちらのコラムを書くにあたって、実際発達妻との生活について彼に話を聞かせてもらいました。
当時の私には難しかったことなのですが、私は「発達障害」の特性があることを、彼にカミングアウトしないまま同棲しました。
そして、そのまま結婚生活に突入しました。
そのことについて、彼としては、「早くカミングアウトをして欲しかった」のだそうです。
今でもトラブルが無い訳ではなく、時には特性から来るであろうマイナートラブルが起きています。
もし、早めにそういった特性があることを「知っていれば」、パートナー側が「何故そうなるのか」を理解できたり、フォローができただろう、ということです。
しかしながら、障害受容が出来ていなかった当時の私には早いタイミングでのカミングアウトは難しかったかな、と今では思っています(苦笑)。
発達障害は目に見えない障害なので、たとえパートナーや夫婦であっても、なかなか理解し難いものなのだと感じます。
それでも大事なのは、壁があっても、定型であっても、発達であっても、お互いを「人と人として見つめ合う」ことが出来るかどうかなのだと思います。
みきちむ(ASD当事者)
仕事が長続きせず体調が安定しないことが悩みで息苦しさを感じ、発達障害の診断テストを受けたところ、20代後半で発達障害の1つである「ASD(自閉症スペクトラム障害)」の診断を受ける。現在は週1の間借りカフェの営業とバイトを掛け合わせた【自分にあった働き方】をしながら、定型発達の旦那さんと保護猫さとうさんとの2人と1にゃんの暮らし。趣味は音楽活動(ボーカルと現在はギターを猛特訓中!)でエンターティナーな一面も持つ。
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